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2020.05.16 09:37

百葉箱

気象観測のために設置する温度計などの観測機器を日射から遮蔽するとともに雨や雪から保護するための装置(箱)。が昨年の強風で倒れてしまったので、ご依頼をいただいて、強固な足を考えて、百葉箱本体は壊れた箱を参考に新しく造りらせて頂きました。昨日無事納品出来ました。百葉箱の内側の気温はできるだけ外気温と一致しているように通風が必要。しかし、百葉箱の通風は側面や底面などからの自然通風が一般的であるため、観測される値は昼間にはやや高く、夜間にはやや低くなり誤差を生じることがわかっている。昼間の場合、実際の気温よりも年平均気温では約0.1℃、最高気温の年平均値では約0.2℃、晴れて風が弱い日における日中の最高気温では約1℃高めに観測されるという特徴があるそうなのですが、通気を良く考えて外気温と差異なく温度測定が出来るようにも工夫させて頂きました。当社の家具担当の知識の奥深さに敬意を表しながら、場内に偶然にも置かれた丸太を見ての閃きの合作です。

 強風で倒れたのもこの足を見れば合点が行きます。

 そこで、これならば大丈夫だろうと欅丸太の又別れ部分を逆様にして足としてみました。

 壊れた箱を調べながら、新たに造り直す工程を以下に載せてみます。

 後から塗装できないであろう部分は先に塗装して腐食を防ぎます。

 今回は栗の木を材料としています。オール栗です。

 常に雨や雪に晒される箱なので、水に強い栗材でも見えない部分の塗装にも気配りしています。

 通気を考慮した造です。

 細やかな木組みによる再現で作り上げました。古民具の再生のみならず、古くから使われてきた意義あるものを再度作り上げるのもまた技術の伝承再生です。