<< 2024年04月
新着記事
最近のコメント
月別
カテゴリ
2017.12.02 09:24

赤松の梁

 昨日も赤松について触れましたが、写真は現在上棟して屋根葺き工事中の月が丘の新築現場です。この木組みを支えるのは、樹齢85年超の南部赤松です。盛岡市内を85年間水害から守ってくれた木が今後それ以上の年月を住まいを守り、色艶を増して住む人と共に育ちながら癒しの空間を醸成してくれるものと確信致します。見ての通り6mの長材が相当数組み込まれているのです。自社製材して桟積み自然乾燥させた太鼓梁なのです。上部荷重に対して育った姿のままに上荷重を押し上げて支えるかのごとくに曲がり部が上を向いているので誰の目にも丈夫で強いと想像できます。直材にしないで曲がりのままに津扱うので、構造計算上は梁成8寸で足りるところに10寸材があてがわれた形になっています。過剰設計ではなく、元々8寸必要な場合に8寸材を直材に製材すると、7寸6寸と小さくなってしまいます。曲がり材を直材に製材するのはとても不合理で折角の材の力を弱く細くしてしまうように思うのです。これで技術は本当に進歩しているのでしょうか?昔に比べるとヤング係数を測り計算で根拠付けが出来るまでになりながら、樹木を生かし自然と共存する術を手放してしまっているのではないかと懸念してしまいます。さて、その構造計算をこの現場の伏図を書いて墨付けした大和田に勉強させる時期になりましたね・・・笑!車椅子大工でも構造計算をして墨付け出来て木の扱いを知るとしたら素敵ですね!