最近杢創舎大工塾シリーズが多くなりましたが、今回は腰痛から復帰した工藤大工による刻みの実演風景です。先輩の仕事を良く見て学ぶようにと新人大工に伝えておりましたが、見ようとしても「何の用だ、自分の仕事しろ」と云われてしまうとの話なので、私が傍に行って集合させ、工藤大工に「勉強させて」と云うと、とてもいい笑顔で、説明付きで刻んで見せてくれました。その脇で私はカメラマンです。今回は、その風景をUP致しました。
慣れないと、墨に合わせてそろりと見た目丁寧に鑿を置くのですが、凄い早さでトントンと墨に合わせて鑿を当て、玄翁を振り下ろす無駄のない身動きに惹きつけられます。
解説付きなので、気を抜く事は出来ません。ややもすると、木屑が飛んで来て除ける間も無い速度で刻みが進みます。
刻んだ後の鑿の刃金の様子も見せてくれました。
鋸にしても、先を考えて切らないと、後々の刻み仕事で鋸刃が入らずに困るところの指導など、やってきた人にしか分からないコツも伝授してくれました。
5歩鑿を墨通りに狭いところに入れると動かなくなるから、墨を消して良いとか場所により墨を残して刻まないと、組み合わせた時に隙間が出るなど、そうしたことを理解してこの速度で刻んで行くのだとの次から次に刻む職人技のお手本でした。