2018年06月
新着記事
最近のコメント
月別
カテゴリ
2018.06.14 10:34

ブナの木

 大きく枝を張り込んでいる巨木のブナと出会い、ブナ林のあの真っすぐに伸びた姿とは対照的な豪快な強さを感じ、この木の魅力を取り上げてみたくなりました。新緑の葉は透き通って太陽の光を幹の下方にも届けて林内を明るくしているようです。杉林の薄暗さはありません。天に向かって手の平で雨を受け止める様にして、幹に沿って雨水を流すから、山肌の土を流さない荒らさないし、落ち葉は腐葉土となり、山に養分を蓄えてくれます。強く根を張り、人間感覚では土砂崩れさせない山の守り神で、まして木そのものが水を蓄えて緑のダムと呼ばれる所以があります。ブナの実は美味しいとの事、だから熊の好物にもなります。とても多くの種類の茸が生えるとも聞きます。ブナマイタケと出会う喜びは本当にその場で舞を踊りたくなるほどらしいです。野生動物から見ても人間から見てもブナは本当に大切な恵みに満ちた木だった様です。この情報は私が読んでいる本からなのですが、著者は山でお父さんから教わったと書いてあります。私たち現代の大人は、どのぐらい自然の事を子供たちに教えることが出来るでしょうか?私は杢創舎を立ち上げる前にはてんで知らないことばかりで木を見ても杉と松に防腐処理土台しか触ったことがありませんでした。独立しての17年で、勉強して得た知識と、欅・桂・栓・栃・桐・ヒバ・ヒノキ他何十種もの木を実際に扱いながら特徴を学んで来たからわかるようになりました。教科書を読むだけでなく、実際に見て触れて、剰え製材して知ることも多々あります。どんなにまがりくねろうが、工夫して生かそうとの気持ちがあれば使えるものです。虫穴や変性菌で黒く色付いても、さっきの様な樹木が育ちながら我々を守ってくれたと知るなればこそ、扱う人間が手を掛けて蘇らせることの意味合いや大切さを思うのです。更に私の場合は、年配の大工棟梁や長年無垢材で家具造りしてきた職人の方々からもたくさん教わっています。山菜採りも同様に教わっています・・・笑