2019年11月
新着記事
最近のコメント
月別
カテゴリ
2019.11.24 11:41

樹齢150年の木目

 この度、南部藩植林の樹齢150年の杉柱を使う機会が訪れました。いざ磨いてみると、とても美しい板目と柾目に魅了されます。明治維新を見詰め、戦後の岩手の山々の変遷を見詰めて来た年輪の深みを感じます。津軽石の製材所の社長も80歳を迎えたそうです。昔は「おい」と、突然同年代の漁師がやってきて、海のものを持ってきてくれて、代わりに板を何枚も上げたものだが、その「おいっ!」が最近さっぱりなくなった。重茂も空き家が増えて、漁師を継ぐ者が無いとも嘆いていました・・・懸命に生きて頑張った80年、これから何を見詰めて行くんだろうと思うと、何故か寂しい気持ちになってしまいました。地場材を使うのは、利子補給や補助金があるからではなく、こうして岩手の山を地場産業を支えて来た人々を敬愛し、尊重しながら地域環境を守る為にも必要な事なのです。