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2020.03.03 09:59

刻みのある風景

 当社の作業場では、花巻市中笹間の大改修工事現場に向かう材料の刻みが進んでいます。昔ながらに手刻みで、若手大工が鑿鉋鋸など大工の手道具を扱います。勿論現代的に電動工具も使用しますが、そこは塩梅良く使い分けて使いこなします。その現代的の言葉を大工技術に置き替えた時に、写真内に写る大工の手道具を自由自在に使いこなせる現場が無くなってきているのも真実です。でも、当社にはそうではない昔ながらの風景が現に存在しているのです。今、学校で建築大工を学んでいる学生の皆さんの中で、折角高いお金を出して購入した自分の大工道具手道具を研いで存分に扱いたいと思う人は、一度当社の刻み場や現場を是非とも見に来てください。学んだ技術は実際に生かしてみてこそ本物です。しかも、その高みを手にする事さえできるのです。その相手とする無垢の木が樹種で30種以上も当社の敷地内には存在しています。

 この100本を超える本数を刻むと、同じ加工を何度も何度も繰り返しているので、体が覚えて速度も速くなるものです。





 自身で墨付けしたものを刻むので、現場が頭の中に映像で想像できるようにもなる筈です。

 大工道具は持つばかりではなくよく研いで手入れをしなければなりませんから、研ぐためには使う事が大切です。



 刻むときに図面を見て墨付けされた部分を確かめる事で、何時しか墨付けも出来る様になるものですね。



 先輩大工も20代の若手大工と共に刻むと、それなりに色々と刺激を受けると話します。

 母屋の追っかけ大栓継ぎがかくも大量に刻み込まれて積み上がりました。機械ならもっとあっという間に造ると思いますが、千年の年月を機械が作り出してくれるとは思われませんし、この仕口や金輪継ぎなどをプレカット工場では出来ないと云います。蟻継ぎと鎌継ぎを丸く緩々にするのが機械の特徴ですから、大工の手仕事との違いは明確です。