2020年09月
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2020.09.08 09:51

太鼓梁加工墨出し

 先週のタイコ梁の加工は小屋梁部分に配置する材でしたが、今週は2階床梁として配置する大きな太鼓梁の加工へと作業が進みました。まずは、加工墨を付ける仕事からですが、指矩若しくは曲矩と呼ばれる大工のものさしをよく使います。矩と云う字が使われるだけあり、90度直角に折れ曲がるとても便利な道具です。古くは奈良時代及び平安時代の書物に曲尺と書かれて「まがりかね」と呼称されていたとの歴史もありますから、これを最初に考え出した方はとても凄いと思います。そして、今でもその恩恵にあやかり使い続けている我々です。刻印されている目盛りは尺貫法です。1尺30.3㎝が表目で、裏目に、角目と丸目があります。角目は、表の√2倍の目盛で、直角三角形の斜辺が計算しないで求められ、建物の隅を墨付けするのに大変便利に出来ている代物ですが、これを使いこなせる職人は少ないと思われます。

 まずは、先輩大工のレクチャー

 車椅子大工も見守ります。









 熱の入った指導が続きます。



 次第に若手大工だけで取り組まれて行きました。

 この鉞で殴り込む墨を付けていたわけです。

 鉛筆なので、余分な墨を消して、何度も仕上がりを考えイメージしています。

 全員総意のイメージが固まった様です。





 車椅子での尺矩は直角を見るにとても便利です。