2020年06月
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2020.06.12 12:29

建具職の仕事

 昨日、建具室を覗くと建具職人が図面を見て悩んでいました。話を聞くと、これをこのまま造ると斜めだからぱたんとたまれてしまいこの形を維持できないからどうしようか悩んでいるとの話でした。正にその通りで、図を書いた側は納まりなどの詳しい指示はなく、施工者任せのデザインのみの絵なのです。しかも製作者は建具職人なので、このロフト階段は本職ではありません。でもホゾを直角に組み込み向かい合う互いが支え合う事で持たせようと考えていました。この前、古い建具の修復をしたり茅葺き屋根の解体を手伝いながら、昔の職人の手仕事の見事さに触れて「凄い、機械も無い時代にあんな事が出来たなんて、驚きました。」と話してくれて、今回のこの無茶振りにも応えようとの思いになったらしいその心の内を私に教えてくれました。これこそが職人魂ではないだろうか。
有難き面々と仕事ができる私たちは仕合せです。











 相対するホゾを逆向きにして持たせようとの考えがこれで見えて来ました。丈夫さも大切ですね。

 現代は、こうして機械で角度調整できるのですが、昔は手で行ったんですよね。





 デザイン者がやってきました。「原寸を書くはずだったんだけど・・・」いやいや原寸があるのは良い事だけどもっと深いところの問題でしたよね。

 二級建築士の工事部長もお客様に良いものをご提供しようとの気持ちはとてもあります。わたしもそこは認めるところです。こうした職人の見えない仕事に光を当てたくて、書いてしまった次第です。